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預金課税について②

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ロシアでは、預金口座に加えて、累積貯金口座(残高に利息がつく口座)も人気だ。このような口座を手続きする際、顧客は預金口座ではなく「準定期」口座の開設契約を銀行と結ぶ。2019年はロシア人は普通口座(累積貯金口座も含めて)8兆ルーブルを積み上げた。RBK(我々)は、財務省に、累積貯金口座分も課税対象となるのか質問状を送った。

RBKが取材した銀行のほとんどは、資金調達には問題なく、預金者の資金流出を感じていないと述べた。しかし、市場参加者の中には、顧客誘致のために預金口座や累積貯金口座のレートを変更したり、変更する準備をしているところがある。

・Credit Bank of Moscow:4月1日から累積貯金口座の最低レートを6%まで引き上げる。顧客が月3万ルーブル以上銀行カードで消費する場合、この口座の収益性はさらに0.5%増加する(※つまり6.5%になる)。顧客が「最大収入」プランに6ヶ月以上預金する条件で、銀行はルーブル預金口座も6.3%まで引き上げる。

・Rosbank:3月26日から「プログレシブ」口座のレートを上げる。これは段階的にレートが上がるシステムで、預金の期間は1年、利息は四半期ごとに分割される。収益性は3ヶ月ごとに増加し、5%から6.5%になる。全期間の平均年間金利は5,75%となる。

・Russian Agricultural Bank:近日中に累積貯金口座に追加の料金プランを導入する予定。クライアントは資金を管理し、収益性を高める機会が増える、と代表は述べた。

・Otkritie FC Bank:「個人の負債に関する自社規則では、私たちが市場の状況と競争分野を統率します。預金市場の実際の価格状況を観察し、いつでも変化に対応する準備をしています」顧客の大規模な口座閉鎖は予期していない。

・Promsvyazbank:近日中の累積預金口座のレート変更は予定しておらず、定期口座レートについては市場動向を見て判断する。「資金流出は起きていないが、昨夜以降顧客から定期口座課税についての質問がたくさん来ています。どの金額に課税されるのか、期間限定口座にも適用されるのか、累積貯金口座はどうなのか、といったところです」

・ロシア郵便銀行:当局からの説明を待つ。現時点で条件変更はない。

・Homecredit Bank:「昨日今日でコールセンターへの問い合わせが増えました。100万ルーブル以上に関して課税されることなどを知らない預金者に、説明する対応に追われました」100万ルーブル以上の預金者の割合は少なく、この措置の影響はあまりないと見ている。

・Raiffeisen Bank:「定期口座や累積貯金口座の顧客離れは観察されない」と明かした。預金口座などの条件計画については語らなかった。

・Vostochny Bank:3月27日から累積貯金口座のレートを年利7%まで引き上げることに決めた。

・Dom RF Bank:3月27日季節預金口座の条件を改善した。0.3%上昇させて、年利6%とした。

預金流出の可能性

『大統領が発言したアイデアが、税法上どのように転記されるのか明確ではない』と経済学者は言う。それでも、預金所得に対する課税の導入が銀行の負債に大きな打撃を与えるとは考えにくい。

新課税で預金者が失うのは、もし平均年利が5.15%とすると、1%(100万ルーブル以上の定期預金者)程度である、とS&P経済大学のセルゲイ・ヴォロネンコは評価した。彼は、これが預金者の深刻な動きをもたらすか、懐疑的だ。

預金者の行動や銀行の資金状況は、税金だけでなく他の要因:実際の金利、インフレ、そして人が消費と貯蓄の間でどのような選択をするのか、などにも依存する、とACRA金融格付けグループ部長は語った。彼によると、ロシア人は自由なお金を割り振るオプションが多くない、それは深刻な資金流出は考えづらいと言うことだ。しかし、一部のプレーヤーは資金調達問題に敏感になるだろう。『銀行は、いずれにせよ個人から期限付きでも資金を集め現在のレベルを維持したく、残高の安定性を維持する方法は課税に伴いレートを上げることです。採算性を低下させないために、信用機関は自身の積極的なオペレーションで収益を増やす方法を探す必要があるでしょう』

国立格付け機関の格付け担当ディレクターは、銀行は、顧客にとって特定の税制戦略となる家族向け(同じ家族のメンバー向けのサービス)や有価証券サービスなど預金者に多様な提案をし始める可能性があると述べた。『さらに、高額定期口座の顧客を維持するために、銀行は現在よりステータスとなる特権的プログラムを組む傾向となるでしょう。信用機関からボーナスまたは同様の特典を受けるために必要な口座の最低残高額は引き上げられると思われる』専門家は、ロシア人の現金節約に対する関心の高まりを否定していない。

出典記事はこちら 

※つまり、現時点の理解では、2021年1月1日の段階で年利6%の口座に500万ルーブルある人は、1年で500万×6%=30万ルーブルの利息がつき、その税金30万ルーブル×13%=3万9千ルーブルを2022年に納めることになる。

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(↑ロシア国内のコロナウィルス感染者推移、3月1日から3月28日現在 オレンジーロシア全体、青ーモスクワ市)

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