秘密結社｢セティ｣事件⑥

判決への反応

2020年2月10日、ペンザのプリヴォルシュ軍事裁判所が有罪を言い渡した時、傍聴席には40人近い聴衆がいた。裁判官が法廷を退出する際には「面汚しだ！」とヤジが飛び、席が足りずにドアの外のロビーにいた50人近くが同調した。判決の後で、数十人がペンザの中央通りでデモンストレーションをした。この運動は一日中続き、夜遅くに被告人達が収監されている拘置所の側で解散。翌2月11日の夜、4人の活動家が「セティ事件を許すな」と落書きした容疑で拘束された。モスクワのルビヤンカ広場の連邦保安庁建物でも2月10日に被告人支持者達のデモが行われた。

大統領府人権委員会委員長ファデーエフは、自身の立場を「大統領府の職員」と認めた上で、判決へのコメントを拒否。と同時に、もし彼ら自身や親族、弁護士が助けが必要だと申請してきたら、調査する用意があるとした。

2020年2月12日、ロシアの学者達はセティ事件の受刑者を支持する手紙を公表。その返事として、2月13日大統領報道官ペスコフは、プーチン大統領がこの件の調査をするよう指示したと話した。

2020年2月14日、人権保護活動家ポノマリョフ、ボルショフ、ガンヌシュキナはセティ事件について語る為、プーチン大統領に面会を求めた。彼らは、セティ事件はロシアの「大粛清」の復活だと主張。

2020年2月17日、９つの街から13の本屋が判決への抵抗の印として、一日閉店するデモンストレーションを実行した。

また、作家、詩人、ジャーナリスト、翻訳者、文学者、出版社などの文化人が100名以上受刑者の支持を表明。芸術家や美術関係者達が「特殊機関による拷問」について反対の声をあげた。映画界からは受刑者への判決を「現在の政治広告の為に人の運命を挫く、究極の強迫行為」と非難する者がいる。アニメーターらも若者の迫害に抗議。千人以上の教育者が教育委員会の手紙に署名、そこには自国民を恫喝する為に事件は捏造されたと記載されていた。数百名の学生は裁判の結論について疑いがあると書き込んだ。心理学者は拷問抜きで再審理するよう手紙を書いた。

人権保護団体は判決について、有罪の決め手になった証拠の大部分は拷問によってもたらされた、と非難した。ペテルブルクの議員達は検事長クラスノフに対して、「プリヴォルシュ軍事裁判所の有罪判決に異議を唱え、無罪にする」よう要請し、また拷問や証拠捏造に加担した者達に責任を取らせるように言った。「公正ロシア」党党首ミロノフは検事長や最高裁裁判所長に、セティ事件について官憲による拷問使用の疑いについて手紙を出した。

テレビ司会者で元大統領選立候補者のクセニア・ソブチャクは、受刑者達の有罪の証拠があると主張。特に、彼らの手書きのメモに注視している。

※①から⑥まで読んでくださった方、ありがとうございます。出典はロシア語版ウィキペディアдело"Сети" - Википедиаです。事実を列挙し、中立的な内容だと思います。NTVのドキュメンタリやその他の材料も見た上で、この事件を判断するには、裁判記録や証拠なども読み込まないと難しい気がしています。拷問についても、ペテルブルクの人権オブザーバーは拷問有り報告書を出しているけれども、受刑者の妻や親、ペンザのオブザーバーは否定していたり、矛盾点があり。私の個人的な印象では、ペテルブルクの過激派人権活動家による売名行為か、または狂信的に反政権活動をしている産物ではないかと感じています。一方で、官憲が事件を捏造することは本当にある（実際に官憲が認めた件もある）ので、拷問はなかったとは言い切れません。

本物の軍服を装備して和気藹々とサバゲーしているのと違って、森の中で実弾射撃訓練や火炎瓶投げる訓練、街中のアパートで爆発物の材料を揃えているとか、普通の青年達ではないです。裁判記録によれば、具体的な攻撃目標をあげて武力攻撃を計画していた手記も組織憲章もあるというし、火のないところに煙は立たない訳で。裁判記録の閲覧すらせずに冤罪を主張する人は信用できません。

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