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ロストキノ放射線顛末②

全てテロリストが悪い

この事態を招いた責任者の行動は、多くの疑問を呼ぶ。非常事態省の専門家が現場で自然放射線量の超過を記録したのに、広報によると、専門家の「計器はそのシステムではなかった」という。

『現場にラドン社の測定車が駆けつけたが、自然界のレベルを超えた放射線は計測されなかった』と2月23日非常事態省は発表。

その後、請負業者社長アルテャニャンはメディアの取材に、超過はあるが深刻なレベルではない、と答えた。彼によると、自社鑑定では敷石数枚が毎時0.4マイクロシーベルトを観測し、これは基準値を超えているが、10倍という数値ではない。(※活動家の計測では毎時2.2〜4.5マイクロシーベルトだった)

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社長はどこから異常値が出ているのか自身の見解を語った。

『まず、敷石ではなく、その下の土から放射線が出ている可能性があります。ここは油工場跡地で、土に油や化学物質、有害物質が混ざっているでしょう。第二に、放射能汚染された敷石は他のと違う色をしています。偶然か故意かわかりませんが、何らかの液体が撒かれたのかもしれません。監視カメラのない場所が選ばれていますし』

『もし土が原因だったなら、どこか発生源のポイントがあるはずです。楕円形になっているとか。ここの汚染敷石はチェス盤のように点在してお互いが数メートルごとに離れています。我々はかなり細密に計器で測定し、敷石の黒い帯状の部分から放射線が発生していることを突き止めています。汚染された敷石とそうでない敷石は目視でも違うとわかるので、この説はすぐ却下できるでしょう。観察された事実と違いますから』オジャロフスキーは土発生源説にコメントした。

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環境テロリスト説もありそうにない。撒かれた放射性液体を洗い流すに十分な大量の降水もあれば、人々の足で周辺の敷石に広がらなかったということからも、この説が常識的ではないとわかる。

『自社以外のどこかに敵(原因)を見つけたいというのは、無責任な経営者がする標準的な言い訳です』とオジャロフスキーは第二説について語った。

『通常、この敷石を提供した人物を庇う必要がなければ、放射能汚染物質を撤去し、研究究明しますが、この社長は何もしませんでした』モスクワ市議会議員パーヴェル・タラソフは語った。

『この敷石については、放射性廃棄物の管理規則に違反した刑事罰の恐れがあります。サプライヤーが漏らしたところによると、敷石は100万ユニット敷設されたそうで、思うに、他の場所でこのような敷石を見つけるのは特に難しいことではないでしょう』彼は続けて、誰がこの不誠実な請負業者をフォローするのか疑問を呈した。

実現しなかった取材

請負業者Epocha Vozrojdeniya社が敷石以外にも問題があるのは、公式ホームページでもすぐ確認できる。この会社は定期的に公的機関に罰金を支払っているのだ。

例えば、ロストキノ駅の建設について、国家鑑定機関で肯定評価を受けた設計文書や建築許可がない時点で作業を始めていた。

この違反について、会社は5万ルーブルを支払った。笑ってしまう金額だ、Epocha Vozrojdeniya社は2016年モスクワで鉄道建設関連で135億ルーブル稼いだのだから。

我々は請負業社の代表者に、花崗岩のサプライヤー、その量、建材の放射線管理、不完全な長期に渡る放射能汚染敷石の撤去作業について質問するつもりだった。3月2日月曜日、彼らは、3月3日駅にロシア鉄道職員、非常事態省職員など関係者が一堂に会すると発表。ところが「Xデー」の前夜、12枚中11枚が敷き替えられた。

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驚いたことに、約束の時間、駅にはマスコミ以外誰もいなかった。ただ問題の場所の新しいつなぎ目が敷石の交換を示しており、忘れられた1枚の汚染された敷石が全て終わってないことを語っていた。(この時、計器は残された1枚から毎時2.8マイクロシーベルトを観測)

エピローグの代わりに

我々が帰った後、最後の1枚も撤去された。作業員は何ら防護する物を身につけず、ただ大鎚で叩き割ったという。粉塵による体内被曝の危険性など、おそらく、誰も話す時間がなかったのだろう。

 出典記事はこちら 

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