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ピアノ教師懲役9年冤罪か

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2020年6月9日、モスクワ市裁判所はピアノ教師コンスタンチン・チャヴダロフの第一審判決に対する控訴を検討する。

被告や親族、弁護士は事が公になるのを避けてきた。だが彼らの考えが変わって、やっと、この憤慨すべき出来事について語る事ができるようになった。

2019年9月「コムソモリスカヤ・プラブダ」誌に記事が掲載された。

『36歳女性が、未成年の娘が音楽の先生に性的悪戯をされたと警察に被害届を出した。母親によると、38歳の容疑者は被害者宅でのレッスン中に10歳女児に性的な行為を強要した。

母親は、娘の部屋に入った時、出来事に気づいたという。現在容疑者は拘束されている』

拘束された人物の名前こそ出されなかったが、本案の判決前でもなく、容疑者を拘束する決定の前段階でチャフダロフの大きな写真が載っていた。9月15日チャヴダロフのSNSには小児性愛の告発を含む、侮辱的な投稿がされた。

現在まで、チャヴダロフは拘束されている。裁判の動きはモスクワ市裁判所HPで確認できる。2020年2月4日クンツェスキー地域裁判所で、刑法第132条4項б(※暴力による性的特徴を持つ行為)の最短刑は12年だが、懲役9年を言い渡された。

チャヴダロフの教え子たちの親は団結して、検察に反対し、被告人がそのような行為に関与している可能性を否定した。Facebookにはチャヴダロフレッスンのページが作られ、レッスンのビデオや教え子の演奏、コメントなどが寄せられている。その中にチャヴダロフ自身が刑務所から寄せた手紙もあり、その中で無罪を主張している。

6月1日このページにチャヴダロフの教え子だったフョードルの親が投稿をした。その中でチャヴダロフの完全無実を信じ支持を表明。出来事の詳細を書いた。6月5日夜には368人が署名した。

彼らによると、(「コムソモリスカヤ・プラブダ」誌の記事とは大分違うが)大変な誤解があったという。娘と両親は第一審の判決前に被害届を取り下げたが、それ自体は状況的要素でしかなかった。

6月5日、ネットで新しい弁護士を雇う大きい費用を集める運動が広がり、1日で集まった。

前述のことは、チャヴダロフに対して提起された告発を、懐疑的に捉える人が多いと考えられる。

私個人の意見を付け加える。モスクワ音楽院での彼の教師だったので(最後の2年を担当)、私はチャヴダロフをを知っている。かなり親密な関係の中で、私はチャヴダロフ氏に不健全な傾向のかけらも見つけることはなかった。彼の教え子の親たちに賛同するしかないのだ。

長年の独立した仕事の中で、チャヴダロフは「難しい」生徒とも仕事ができる優れた教育者であることを証明してきた。これは非常に価値がある。2017年には欧州の「年間最優秀教師」の名誉称号を授与された。

チャヴダロフを襲った不幸の中で、私は偶然彼の教え子とその親が彼をどれほど尊重しているかを知った。チャヴダロフ自身から何通か手紙をもらった。結論に書かれているように、誠実さと自身の正当性への絶対的な確信があります。

チャヴダロフに対する告発は、私には不条理に見える(証拠の根拠が非常に弱い)。

チャヴダロフ事件はロシアの音楽教育の運命についてかなり激しい論争、これは読者にも記憶にあると思うが、の時に起こったことに憂慮する。

近いうちこの問題の公正さが勝ち、コンスタンティン・チャヴダロフが解放されることを願う。

ミハイル・リツキー(※旧ソ連出身のピアノ奏者)

出典記事はこちら

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