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秘密結社「セティ」事件③

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裁判審理と判決

2019年1月モスクワ軍事裁判所がペテルブルク公判を開き、シシュキンは罪を認めた為、特別審理を経て懲役3年6ヶ月を判決した。

2019年3月20日、モスクワ軍事裁判所はバヤルシノフとフィリンコフについて審議開始。公判はペテルブルクの第224軍事法廷で行われ、モスクワの裁判官がビデオで参加。バヤルシノフは罪を認め、特別審理を申請。しかし裁判所はこれを却下。フィリンコフは無罪を主張、5月15日自身の自首が起訴の決め手となった検察側証人ゾーリンの証人喚問が行われた。

2019年5月14日、ペンザのプリヴォルシュ軍事裁判所でイヴァンキン、ククソフ、クリコフ、プチェリンツェフ、サギンバエフ、チェルノフ、シャクルスキィの審理開始。彼らは全員無罪を主張。

2019年6月、審理の過程で検察側の特秘証人として仮名「カバノフ」が呼ばれた。シャクルスキィは、この人物は自分にブラッド・ドブロヴォリスキィと名乗り、元ネオナチ主義者で(爆発物の製造などについて)挑発的な話を持ちかけてきたと証言。シャクルスキィの知人らが“ドブロヴォリスキィ”の写真をペンザ国立大学の学生たちに見せたところ、同学のブラッド・グレシコとわかった。他にも、この公判には特秘証人として仮名の「狐」「狼」「兎」らが、被告人が自分らに「セティ」計画を話したと証言。「狼」はプチェリンツェフと同房だったというが、プチェリンツェフは否定している。

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2020年2月10日プリヴォルシュ軍事裁判所は7人の被告について以下の罪で有罪を言い渡した:テロ組織の結成と参加、爆発物不法所持、集団による大規模な麻薬取引未遂。

ープチェリンツェフ(27歳)(禁固18年)

ーシャクルスキィ(23歳)(禁固16年、罰金5万ルーブル)

ーチェルノフ(30歳)(禁固14年)

ーイヴァンコフ(25歳)(禁固13年)

ークリコフ(25歳)(禁固10年)

ーククソフ(31歳)(禁固9年)

ーサギンバエフ(27歳)(禁固6年)

プチェリンツェフに対する軍事委員の建物を火炎瓶で延焼させようとした容疑は取り下げられた。

『被告人たちが行なった「爆弾の代わりに食事を」「ビーガンの日」などの社会的奉仕活動は、お金を武器に浪費している国家を批判するビラ看板などを背景にしたもので、人々を助ける目的ではない。また、全ての被告と証人たちが公判で示した通り、これらの活動は自由に制限なく、時に当局の許可の下行われた。これらのことから、裁判所は、被告たちが政治的に容疑を捏造されたとする主張には根拠がないと判断する』(判決より)

裁判所は、事件の物証、特に射撃術の教科書、カール・マルクスの本、アナーキーに関する出版物などの破棄を命じた。

7人の被告の弁護士たちは控訴した。

サギンバエフはHIV陽性、ククソフは結核と診断された。

moscownews.hatenablog.com

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